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昭和が舞台の小説を発表してきた奥田英朗さんが、ついに昭和という時代を丸ごと描いた。作家になって間もないころから挑みたいと思っていた。執筆に10年かけた3部作「普天を我が手に」(講談社)を完成させ、この夏から刊行が始まった。
第一に国民的熱狂をつくってはいけない。その国民的熱狂に流されてしまってはいけない。ひとことで言えば、時の勢いに駆り立てられてはいけないということです。熱狂というのは理性的なものではなく、感情的な産物ですが、昭和史全体をみてきますと、なんと日本人は熱狂 ...
「市隠(しいん)」の文士、永井荷風(1879~1959)は激動の昭和をいかに生きたのか――。評論家、川本三郎さんの「荷風の昭和」(新潮選書、前後篇〈へん〉)は、荷風作品を丹念に読み込みながら、当時の市井の暮らしの細部へと分け入ってい ...
著者が紡ぐ物語と共に注目してほしいのが、犬猫の写真である。特に目を奪われたのは、著者の愛犬・未来の姿だ。未来は虐待で深い傷を負い、殺処分対象になるも、寸前で動物保護ボランティアに引き出された。
《柄谷さんは、人間の歴史の中で起きてきた社会の構造的な変化を“交換”という観点から見直し、従来の“生産様式”にかわるものとして “交換様式”という考え方をまとめあげた(「生産様式論」については 第28回 ...
1960年代から70年代にかけ、中国で多くの知識人らが迫害され、社会が大混乱に陥った文化大革命(文革)。実は発動した毛沢東に明確なビジョンはなかったのではないか――。本書はそんな着想から、文革に至るまでの経緯や毛沢東の考えを追った。
私はドイツで生まれ、哲学に興味を持ち、日本に渡って仏教を学び、禅僧として生きるようになりました、と書けば聞こえはいいですが、その過程はまったくスマートではありませんでした。むしろ、ずっと「自分の人生ってなんなんだ?」と悩み続ける時間の連続でした。
国宝〈上〉青春篇(吉田修一、朝日文庫) 国宝〈下〉花道篇(吉田修一、朝日文庫) 近畿地方のある場所について - 文庫版(背筋、角川文庫) イクサガミ 神(今村翔吾、講談社文庫) 成瀬は天下を取りにいく(宮島未奈、新潮文庫) ...
(1)は気候変動という死活的テーマを従来の国際関係論が適切に論じられない現状を批判し、環境地政学という新たな学問潮流を紹介する。経済成長至上主義、資源の収奪、植民地支配、自然の支配、男性中心の社会といった近代世界の諸相こそが問題の同根だ、と著者はラデ ...
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いままで受け取った原稿でいちばん驚愕したのが、吉増剛造さんの詩集『怪物君』。その原稿は、高さ45センチ、幅10メートル以上の壮大な巻物で、ただならぬオーラを放っていた。触れるのもためらわれるその巻物を本のかたちにするために、文字起こしをするのが私の仕 ...
漫画が好きだ。そしてホラーも好きだ。折しも季節は夏、ささやかにでも涼を納めるべく、おすすめのホラー漫画を3作ご紹介したい。 まず、8月4日に第1巻が出たてほやほやの「こわいやさん」(カメントツ、集英社)。 かわいい「どうぶつ」たちが暮らす「どうぶつ村 ...